「 96条改正反対論の事実誤認 」
『週刊新潮』 2013年6月13日号 日本ルネッサンス 第561回 自民党の参議院選挙の公約から憲法96条の先行改正が外される見込みである。安倍晋三首相は攻めどころを間違えていないか。 安倍政権の課題は経済再生、安全保障の危機、教育改革など山積し手に余るほどだ。しかし、日本立て直しに必要なのはなんといっても憲法改正である。そのことを十分に認識しているからこそ、首相は96条の改正から始…
「 憲法改正、保守は大同につけ 」
『週刊新潮』 2012年11月8日号 日本ルネッサンス 第533回 「命あるうちに最後のご奉公をしたい」 80歳の石原慎太郎東京都知事が辞任記者会見で吐露した想いは、私にもよくわかる。日本に充満する閉塞感を氏はこう表現した。 「明治以来の中央集権、官僚制度をもう1回シャッフルしたい」「この国にはバランスシートがない。国の会計をなぜ複式簿記にしない」「ゆとり教育が学力を落とした。…
「 日本の停滞を憲法改正で立て直せ 」
『週刊新潮』 2012年4月5日号 日本ルネッサンス 第504回 どっちを向いても日本には閉塞感が漂う。しかし、大いなる希望への道筋も見える。多方面の人々と語り合うとき、必ず強調されるのが日本立て直しの必要性である。およそ皆、現状を危機ととらえ、具体的課題への取り組みもさることながら、根本的立て直しが必要だと考えている。この危機意識の深さは、昨年の3・11で日本が受けた被害の大きさと、政府が…
「 超党派96条改正議連に見る可能性 」
『週刊新潮』 2011年6月9日号 日本ルネッサンス 第463回 菅直人首相への不信任案が取り沙汰される中、当の首相は東日本大震災の復旧、復興、日本再生を成し遂げることが自分の歴史的使命だと頑張っている。 社会保障と税の一体改革も、子ども手当制度も農家への戸別所得補償も皆、首相は自分の「歴史的使命」で、「歴史的に画期的な政策」、「歴史的に絶対に間違っていない」と強調してきた。首相の自己顕示…
「 虚構の憲法を持つ日本と中国 現実を直視しなければ日本は敗北 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年10月9日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 857 21世紀、人類の争いの海は西太平洋とインド洋である。争いの主役は中国だ。中国の手法は力を前面に押し出す19世紀型帝国主義そのもので、尖閣諸島周辺の日本領海侵犯事件で不条理な要求を日本に突きつけ続けるように、周辺諸国を不幸にする。のみならず、じつは中国の国民をも不幸にする。 中国共産党政権は共産党…
「 民主党政権を主導する小沢一郎氏 矛盾に満ちた変節を疑う 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年1月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 821 藤井裕久財務大臣の辞任など、鳩山民主党は年初から波乱含みである。藤井氏辞任の背景に、小沢一郎幹事長との齟齬があったと指摘されている。民主党政権の展望が一に小沢氏の意向や決定にかかっているといっても過言ではない現在、氏の目指すものは何なのかを、明確に把握しておきたい。 『日本改造計画』(講談社)…
「海上自衛隊”武器制限 ソマリア派遣”に異議あり」
『週刊新潮』’09年2月5日号 日本ルネッサンス・拡大版 第348回 櫻井 ソマリア沖に横行する海賊退治に国際社会が力を結集しつつあります。中国は昨年暮れに軍艦2隻と補給艦を合わせた3隻の派遣を決め、すでに「大国」としての働きを開始しています。韓国も軍艦の派遣を決めました。他方、日本は3月末あたりを目処に海上自衛隊を送りたいと議論しています。 そこで、民主党副代表で、安全保障の専門家でもいらっ…
「国籍法や排出権など国の重要事項に無知・無関心の閣僚の資質を問う」
『週刊ダイヤモンド』 2008年12月13日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 768 この記事が読者の皆さんのお目にとまる頃には、国籍法改正案が参議院で可決され、成立しているはずだ。 改正国籍法は、日本人男性と外国人女性のあいだに生まれた子どもに、夫の認知を条件に、日本国籍を与えるというものだ。父子間の血縁関係の証明は必ずしも必要とされないために、悪用される危険…
「“国籍法”改正は日本の危機」
『週刊新潮』’08年12月4日号 【拡大版・緊急対談】平沼赳夫 vs 櫻井よしこ 日本ルネッサンス 第340回 櫻井よしこ 現在、「国籍法改正案」の審議が急ピッチで進められています。11月4日に閣議決定され、既に衆議院を通過致しました。11月25日現在、改正は28日の参院本会議までの議論を残すのみとなりました。しかし、ここにきて、「国籍法改正」には、幾つかの大きな問題があることが明らかになって…
「 日本国籍を取得した者だけに参政権を与えるべきではないか 」
『週刊ダイヤモンド』 2008年2月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 728 福田康夫首相の下で特別永住者の参政権付与の問題が再浮上している。各政党内に賛否両論あり、根深い対立を引き起こしてきた同問題は、これまで関連法案が四度廃案となり、22回継続審議となった、いわくつきの課題だ。 特別永住者とは、日本の植民地だった朝鮮半島や台湾から、戦前戦中に日本に来た人び…