「 検察庁法、異常なSNS世論の正体 」
『週刊新潮』 2020年5月28日号 日本ルネッサンス 第902回 検察官の定年を引き上げる検察庁法改正案を巡る動きが急展開した。5月18日官邸で、安倍晋三首相は今国会での成立を断念し、語った。 「国民の皆さまのご理解なくして前に進めていくことはできない」「公務員制度の改革は国民の皆さまの声に十分耳を傾けていくことが不可欠だと、幹事長と意見が一致した」 首相会見前の取材に菅義偉…
「 現行法でウイルス第二波を防げるか 」
『週刊新潮』 2020年5月21日号 日本ルネッサンス 第900回 安倍晋三首相が5月4日、緊急事態宣言を概ねひと月延長すると発表して、1週間が過ぎた。私たちがいま見ている新規感染者数は約2週間前の私たちの行動を反映したものだが、全国の新規感染者数が100人を切る日もあり、東京では50人以下の日々が続く。 気を抜けば数字は一気に跳ね上がるのであろうが、現時点で日本人は「感染爆発」を免…
「 黄金週間に国の在り方を考えよう 」
『週刊新潮』 2020年5月7・14日合併号 日本ルネッサンス 第900回 安倍晋三首相による緊急事態宣言の効果が出始めるのが宣言から2週間後、4月21日の火曜日以降とされる。 東京都の新規感染者数は21日が123人、その後ずっと100人を超えていたが、日曜日には72人になった。週末は検査数が少ないため額面どおりの「減少」とはとらえられないだろうが、それでも少し安堵する。 外出…
「 韓国総選挙、文氏大勝利で進む反日 」
『週刊新潮』 2020年4月30日号 日本ルネッサンス 第899回 武漢ウイルスを最も巧妙に利用した一人が韓国の文在寅大統領だ。文氏の与党「共に民主党」などは4月15日の総選挙で一院制議会の定数300議席中180、実に6割を獲得した。圧倒的勝利だ。文氏がこのまま「勝利の方程式」の道を歩めるとは限らないが、韓国で反日政権が強力な基盤を築いたことの意味は深刻である。 韓国では議席の6割を…
「 危機の中、重要企業狙いの中華戦略 」
『週刊新潮』 2020年4月23日号 日本ルネッサンス 第898回 中国の動きが活発だ。内外における米国の統制力は陰ったと見て、今こそ勢力拡大の好機ととらえているのは明らかだ。 中国湖北省武漢発の新型コロナウイルスで国際社会は混乱の中にある。とりわけ米国は4月11日、感染者だけでなく死者においても世界最多の国となってしまった。米軍の海外展開の基盤である11隻の空母群の内4隻も武漢ウイ…