「国家公務員制度改革の制度設計、事務局長に民間人起用は不可欠」
『週刊ダイヤモンド』 2008年7月5日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 746
国会会期末ぎりぎりで成立した国家公務員制度改革の次の山場は、制度設計である。制度設計を担う改革推進本部にいったいどんな人物を据えるのかが、この改革が国民、国家のためになるものかどうかを決定する。
渡辺喜美行政改革担当相は、せっかくの改革が各省のお手盛人事にならないように、事務局には公募で民間人を起用するとしていた。たとえば事務局長に民間人を据え、事務局次長に官僚を置くというようなかたちだと思えばよい。官僚の人事を行なうための制度設計なのであるから、官僚の考えや知識を取り入れるのは当然だが、要の役職は民間人が握り、適正な判断を下せるようにしなければならないのだ。
民間人を要に据えることは、過去の事例を振り返れば至極当然だ。改革を成功させるための必須条件だといってよい。
私たちの記憶に新しいのは、道路公団改革である。道路関係四公団民営化推進委員会はさまざまな経緯のすえに分裂し、松田昌士、田中一昭両委員が中心になって2002年12月に「松田案」と呼ばれる改革案を提出した。同案は、もしそのまま実施されれば、道路改革は見事に成就したであろうと思われる立派な内容だった。
だが、現在、道路改革は失敗に失敗の上塗りをしている状態だ。改革案は正しかったのだが、それを制度化するときに間違えたからだ。小泉純一郎首相(当時)は、「松田案」を受け取ると、何を思ったのか、法案づくり、つまり制度設計を、事もあろうに国土交通省道路局に丸投げしてしまった。道路局が制度設計すれば、結果は火を見るより明らかだ。こうして、かたちは民営会社ながら、以前にも増して道路局の思うがままの高速道路建設が可能になった。結果、私たちは将来、大きな債務のツケを払わされるのである。
これが、今回の公務員制度改革の制度設計を担う事務局人事に、優れた民間人が必要なゆえんだ。政府内、特に町村信孝官房長官らから公募に反対する声が出たのは、同制度改革で公務員に労働基本権を与えるのかなどの非常に重要な事柄が決定されるため、どんな考えの人物か、わかっていなければ不安だという理由であろう。
むやみに公務員たたきをする人物や、国家の基本構造に異を唱えるような過激な人材の紛れ込みを懸念しているともいえる。だが、選ぶ際に十分な審査を行なえばよいのであり、公募自体への反対は納得しがたい。
一方で福田康夫首相は6月24日、渡辺氏を官邸に呼び、事務局人事の公募は行なわず、「一人ひとりまで自分で決める」と言い渡した。官僚は事実上国会を動かすのであり、国会の事情に通じていない人事を行なっても意味はないと考えての指示だと見られている。
国会会期末に向けてこの公務員制度改革は、事実上“死んだ”と見られていた。それが、おおかたの予想に反して成立した。最終局面で福田首相が、成立させると決断したからである。首相はそれまで同法案に無関心だったが、なんらかの事情で姿勢を反転させたのである。理由はいろいろ考えられるが、いまや、福田首相が公務員改革を進めなければならないと考えていることだけは確かである。
であれば、「一人ひとりまで自分で決める」という首相の言葉を信ずるしかない。事務局長人事は、文字どおり日本再生の道に歩を進めるのか、失われた過去の日々に立ち戻るのかというほどの違いにつながる事柄だ。
福田氏にあるのは、指導力ではなく、調整力である。首相は外交では、日本の国益にかなう有益なことはほとんどしてこなかった。せめて内政では、官と民の人脈をフルに活用して、日本の未来のために、首相自らが粉骨砕身するべき局面だ。ここで事務局長に官僚を充てるような人事を行なえば、それこそ国民への背信だ。
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