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2008.06.14 (土)

「危機に直面する皇室継承 今こそ具体的な議論が必要」

『週刊ダイヤモンド』   2008年6月14日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 743

「諸君!」七月号に、高清水有子氏が秋篠宮家の悠仁さまのご成長ぶりを報じている。愛子さまに関する報道に比較して、悠仁さま関連の報道が少ないなか、同レポートは心和むものだ。

それにしても、悠仁さまご誕生を機に、それ以前に熱く議論されていた皇室典範改正問題が急速にしぼんでいった。問題は解決されたわけでもない。にもかかわらず、パタリと議論が消えた。対策を講ずることなく時間だけが過ぎていけば、皇室をめぐる状況が悪化するのは明らかだ。

今のままでは、悠仁さまが成人なさり皇位を継がれるとき、およそすべての宮家が消えていく運命にある。常陸宮家にも三笠宮家にも、次世代の継承者たる男子がいらっしゃらない。三笠宮家とともに、大正天皇の直系である秩父宮、高松宮はすでに亡くなられている。そして、悠仁さまが即位なされば、弟宮らがお生まれにならない限り、秋篠宮家もなくなってしまう。

あらためて強調するまでもなく、皇室は未曽有の危機に直面しているのである。だからこそ悠仁さまご誕生でしばしの時間の余裕が生じた今、私たちは皇室の存続をどのように担保していけるのかを論じなければならない。

しかし、どの政党も、日本の根幹にかかわる同問題に触れようとしない。なぜか。政治家たちに問うと、余裕がないからだそうだ。衆参両院のねじれ現象の下で、いずれの政党も世論に引っ張られながら、眼前の課題への取り組みで手一杯だと言う。

ならば、民間からの提案として、竹田恒泰氏の改正案を紹介したい。明治天皇の玄孫である竹田氏は、皇室をめぐる現状をとりわけ憂慮し、これまでにも多くの論考を発表してきた。

皇室の将来を危惧する人びとが考える対策は主として二つに分かれる。(1)旧皇族の皇族への復帰、(2)皇族の養子制度の復活である。

(1)は、GHQの皇室政策を否定し、なによりもまず、原状復帰がなされるべきだとの視点で語られることが多い。原則論でいえば正論である。それを実現する道として、旧皇族の方がたを皇室メンバーとして復帰させようという論である。

本来それができればいちばんよいのかもしれない。けれど、旧皇族のお一人お一人のこれまでの人生の歩みは必ずしも同じではないかもしれず、そうした方がた全員をまとめるには、かなりの努力と時間が必要であろう。また、失礼ながら、復帰に伴う予算措置も考えなければならない。

そこで大目標として(1)に取り組みながらも、もう少し短期間に、かつ大幅な現状変更なしに実現できる(2)の方法を考えてみるべきだ。竹田氏が提唱しているのが、この(2)の方法である。

現在の皇室典範は第九条で「天皇及び皇族は、養子をすることができない」と定めているが、それに続いて「但し、皇族は、皇室会議の議により、皇族、もしくは皇統に属していた者の男系の男子から養子をすることができる」という一項を加える案である。

皇族が養子を望み、望まれた人物が了承すれば、その旨を皇室会議に諮り認められれば、その宮家は続くことになる。ただし養子になるのは「皇統に属する男系男子」と定められているため、これまでの皇室の伝統も守られる。

この方法の利点は、まず、皇族方の意思が尊重されること、皇室会議で決定できること、そして、新たに宮家を創出するわけではないために、予算措置が伴わないことである。

このようにすれば、間近に迫っている各宮家の断絶はとりあえず防ぐことができる。そのうえで、悠仁さまのご即位の頃まで、つまり、あと50年ほどのあいだに、もっと根本的な改正を考えることもできる。

宮家の事情を考えれば、早急に(1)と(2)の案を同時進行させなければならないと思うのだ。

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