「 幾世代にもわたる共同体意識 被災地を歩くと見えてくるこの国の根源的な再生への道 」
『週刊ダイヤモンド』 2005年11月5日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 615
新潟県中越地震から1年が過ぎた。復興は進んでいるとはいえ、小千谷市や長岡市を歩いてみると、地震の被害はまだ生々しい。仮設住宅には現在も9,000人が暮らしており、自宅に戻るメドさえ立たない人も少なくない。
にもかかわらず、仮設住宅で会った人たちは一様に穏やかな表情である。自宅が全壊し帰宅もできない状況で陥って当然の、暗さがないのだ。苦境にあってもなお、周囲への感謝と優しい物腰を失わない彼らを支えるものは、いったい何だろうか。村を挙げて避難してきた山古志村のたった一人の医師、佐藤良司氏は、それは幾世代も続いてきた共同体の存在ではないかと語る。仮設住宅で診療を続ける氏が語った。
「皆で一緒に故里に帰ると、皆が思い合っています。誰も置き去りにしない。皆が皆のことをよく知っていて、誰のことも忘れはしない。これからもずっとそうしていく。これが私らが生きてきた道で、これからも同じだと知っているから、全戸全壊の被害も耐えられるのだと思いますよ」
佐藤先生の診療所には村人たちが、病気や怪我の治療に加えて、情報交換と絆の確認のためにやって来る。地震直後には「1年後には故里に帰ろう」と言い合った。1年間頑張った今、帰村までおそらくあと一年、またはもっと長く待たなければならないと、彼らは覚悟している。長岡市長の森民夫氏は語った。
「それでも、95%の人たちが元の村に帰るという決意を持ち続けています。共同体意識が非常に高く、それが彼らを支えているのです」
長岡市の被災者受け入れは、阪神淡路大震災から多くを学んで行なわれた。その1つがまさに共同体の維持だった。阪神淡路大震災では、仮設住宅で多くのお年寄りが孤独死した。
長岡市は、お年寄りの孤独死という悲劇を繰り返さないためにも、共同体を崩さないように、各村の人びとをそれぞれ同じ場所の仮設住宅に集め、その中心部に集会場を設けた。家や思い出の品々のすべてを失っても、隣には生まれたときから自分を知ってくれている仲間がいる。集会場ではより多くの仲間と語り、励まし合うことができる。そんな環境が保たれてこそ、被災者の穏やかな微笑と優しい物腰が生まれてくるのだ。
この1年間、幾度か被災地に足を運ぶたびに、私は、小千谷市や長岡市の被災者に学ぶことで日本は再生していけるのではないかと感じてきた。ひと言でいえば、それは人間の絆を取り戻すことだ。絆を通して人間は守られていく。そのことを意外なかたちで証明したのが、少年犯罪を激減させた鹿児島市の例であろう。
鹿児島市は、400年の歴史を持つ郷中(ごじゅう)教育と呼ばれる薩摩藩独特の青少年教育に力を注いだ。地域の小単位ごとに子どもたちをまとめ、地域全体で現代版の知・徳・体の調和のとれた教育を目指した。なによりも地域ぐるみで多くの体験を共有するようにした。祭りなどの行事はむろんのこと、日常ベースで地域ぐるみの活動をした。そこでおとなと子どもが多くの会話を交わし、絆を深めることで子どもたちの非行や犯罪を食い止めたのだ。
子どもたちを守ったのはまさに絆だった。同様に、おとなも絆によって守られていく。そのことが意味するのは、物によって置き換えることのできない絆、精神的な価値の優先である。郷中教育の歴史に見られるように、かつてそんな社会が日本に確実に存在した。だからこそ、明治初めに日本を訪れた欧米人は、日本を気品ある国家と評し、感嘆した。被災地を歩くと、日本の往時の姿が新潟の被災者の姿に重なってくる。そんな彼らの姿に学ぶところから、この国の根源的な再生が実現すると思うのだ。
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南京大虐殺、…30万人が捏造は明らか。
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