「 普天間飛行場問題で考えるべき 中国の軍事脅威の異常な高まり 」
『週刊ダイヤモンド』 2010年2月6日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 824
1月24日の沖縄県名護市の市長選挙の結果は、鳩山政権の終焉への第一歩となる可能性が大きい。どの国の、どの時代の歴史を見ても、国防の基本を蔑ろにした国は滅びている。鳩山由紀夫首相の友愛外交は、その背後に強固な軍事的備えがあって初めて生きてくるのだが、首相の外交は単なる空疎な言葉だけであり、これでは日本は持たない。
普天間飛行場の移設がより困難になり、日米安全保障体制が機能しなくなったとき、日本の国防の危うさは文字どおり日本の浮沈につながる。北澤俊美防衛相や平野博文官房長官は危機を実感しているのであろう。選挙結果は受け止めるが、「手続きも含めて法律でやらなければならない部分もある」(平野官房長官)の発言に見られるように、移設が全面的に選挙結果によって左右されるわけではないとの姿勢を示している。
なぜ、今、普天間飛行場移設問題を含めて日米安保の万全の体制が必要か。中国の軍事的脅威の高まりが尋常ではないからだ。米国は、2002年から毎年、国防総省の報告書「中国の軍事力」を発表。一方、共和・民主超党派の米中経済安保調査委員会も報告書を発表、QDRと通称される「4年ごとの国防計画見直し」などで中国の軍事力を分析してきた。
そうした情報を読めば、首相の唱える安保・外交政策がいかに的はずれで問題外であるかがわかる。米国の分析をざっと紹介する。たとえば、日本が将来直面するであろう中国の脅威を、すでに現在体験中の台湾のケースである。米国は、02年の段階で、すでに、台湾は台湾海峡の制空権を中国に奪われたと分析する。その年、台湾海峡に臨む中国大陸の沿岸には、台湾を狙う短距離ミサイルが350基配備ずみだった。09年には、その数は1,150基に増えている。毎年100基以上増え続けているのである。
むろん、右のミサイルへの核弾頭の装備は可能であり、方角を変えれば、ただちに日本攻撃にも使えることは言うまでもない。
中国は、軍事力で台湾を制圧出来る水準をすでに確立済みだが、それでは不十分だ。台湾問題に米国が介入出来ない状態をつくらなければならない。そこから、すさまじいとしか言いようのない「介入阻止作戦」が展開されてきた。その方法は二つ、サイバー攻撃で米国を機能不全に追い込み、潜水艦を駆使して空母を足止め、あるいは破壊することである。
第一の作戦は、米軍の強みでもあり弱点でもあるハイテクへの高度の依存性を突くものだ。そのために、中国人民解放軍には二つの特別部隊がつくられた。国防総省、国務省をはじめ、考え得るすべての研究機関や大学のコンピュータに侵入して情報を盗む部隊、もう一方は必要なときにコンピュータ網を攪乱し、破壊する部隊だ。ちなみに、中国軍では、これらサイバー攻撃部隊を「暗殺者の棍棒」と呼んでいる。
「暗殺者の棍棒」が、たとえば国防総省に仕掛けたサイバー攻撃は、07年に4万3,880件、08年は5万4,640件、09年は前半だけで4万3,785件だった。年間9万件に迫るすさまじさである。
この数は、国防総省一省に対する攻撃であり、有事の際には米国全土に一斉攻撃が始まると考えてよい。
第二は空母に対する潜水艦の攻撃能力の強化である。06年10月、中国の攻撃型潜水艦が沖縄沖で訓練中の米空母「キティホーク」にまったく気づかれることなく、8キロメートル地点まで接近して浮上したように、中国は米空母を攻撃する能力を十分に備えてしまった。
こうした状態があるからこそ、米国は日米安保条約をも踏まえて備えを固めたいと考えている。米国との協力は日本の安全を守ることにつながる。それが鳩山首相にはわからないのだ。
鳩山さんを混乱させた与謝野さんの質問…
昨日の衆議院の予算委員会での政治と金の問題の集中審議で温厚な発言をするが頭の回転の早い与謝野馨さんが出ると言うので最初から聞いていました。与謝野:勝場さんの虚偽報告は鳩山さんからの量的制限をこしている資金提供の事実を隠すため、詰まり鳩山さんを護るためにやったことだ。鳩山さんは勝場さんの面倒をこれからも見るのか。検察が鳩山さんを起訴しなかったのは(首相だから)起訴出来ないからだ。検察は起訴権を留保している。鳩山:検察が結論を出している、知らない、私腹を肥やしていないの一点張り与謝野: 「うちの兄貴は…
トラックバック by 普通のおっさんの溜め息 — 2010年02月13日 17:11