「 鳩山政権はどこを目指すのか 価値観がバラバラの民主党の危うさ 」
『週刊ダイヤモンド』 2009年9月12日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 804
鳩山由紀夫民主党代表の論文が「日本の新しい道」という題で、「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」紙(IHT)に、8月27日付で掲載された。
内容が「反米的」だとして、親日派を含む米国知識人らのあいだに瞬時に広がった。同記事は「ニューヨーク・タイムズ」紙(NYT。電子版)にも掲載されたが、鳩山氏は31日、寄稿した事実はない、月刊誌「Voice」9月号に寄稿した「私の政治哲学」が一部曲解されて翻訳されていると語った。ただ、読み比べると、IHTの記事は、もともとの鳩山氏の論文の「曲解」というより、抜粋である。
問題とされた鳩山氏の主張をIHTからざっと拾ってみる。
・冷戦期、日本は米国主導のグローバル化という名前の市場原理主義に、間断なくもてあそばれた。結果として、人間の尊厳も失われた。
・自由の中に潜む行き過ぎの危険を緩和する力としての友愛に、われわれは立ち戻るべきである。
・友愛の精神から生まれるもう一つの国家目標は、東アジア共同体の創造である。
・金融危機は米国一国主導の時代が終焉を迎えたことを示唆し、ドル基軸通貨体制の永続をも疑わせる。
・日本は、超大国の地位を保つべく闘い続ける米国と、大国への道を探る中国とのあいだで、いかにして政治的経済的独立を保ち、国益を守るべきか。
・地域統合と集団的安全保障が日本国憲法のうたう平和主義と多国間協力を実現する道である。
・すべての歴史的哲学はユートピアの夢として始まり、現実となった。
表現の適切性については議論の余地があると思うが、IHTに掲載された内容は、鳩山氏の日頃の持論と重なる。同様に、小沢一郎氏の近年の主張とも重なる。
1993年、小沢氏は『日本改造計画』で、日本は憲法9条を離れて普通の国になるべきだと説いた。集団的自衛権の行使に踏み切るために、小沢調査会も設置した。だが今、9条を守り、国連重視に徹すべきだとして、「国連の決議でオーソライズされた国連の平和活動」への参加は「ISAF(国際治安支援部隊)であれ何であれ、何ら憲法に抵触しない」と主張する。
ISAFは激しい地上戦を伴う活動で参加諸国はいずれも2ケタ、3ケタの犠牲者を出している。そんな重大な活動も、日本国の意思によらず、国連という得体の知れない魑魅魍魎の組織の決定によって参加するというのだ。
そのうえで小沢氏も「日米中が正三角形になって日本が扇の要にある関係でなければならない」(2006年7月2日、「サンデープロジェクト」)と述べる。鳩山氏も小沢氏も米国と距離を置き、中国に現在よりも接近すべきだと考える。米中を同等視すべきだと言っているが、米中両国が日本にとって同じなわけがない。両氏の発想には、日本の「政治的経済的独立」や「日米中の要の位置」をどうやって実現するのかという現実的視点が欠けている。「友愛」や「国連至上主義」で実現するとでも考えているのだろうか。
民主党政権の組閣も重要課題についての政策も、まもなく発表されるだろう。300を超える議席を勝ち取り強固な力を得たかに見える民主党は、しかし、かつての細川護煕政権と同じ問題を抱えている。基本的政策について党内の価値観が深く分断されたまま、政権を取ってしまったという問題だ。つまり、民主党がどの方向に向かうかについてのこれからの党内議論が重要な意味を持つ。数にすれば少数派の民主党の左バネを抑制してまともな外交安保政策を導き出す大きな責任が、これまた党内少数派の保守勢力の責任である。この党内攻防を乗り切れなければ、せっかくの300余議席も日本の未来を開く力とはならないだろう。
三党連立政権は現実を直視せよ…
【筆者記】
参議院の過半数を確保するために、高々、5議席しか持っていない社民党(衆7参5)と国民新党(衆3参5)に揺さぶられ、特に日夜、反日運動を繰り返している悪質な社会主義者の集まりである社民党に大幅譲歩を余儀なくされた連立政権は誰が考えようが、野合でしかなく、まさに今回の連立合意は前途多難といわざるを得ない。
選挙期間中、大半を郵政民営化に言及し反自民だけを繰り返してきた国民新党、かたや思想的にまったく違う反国家運動を党の方針にしている社民党、国の安全保障など、政権公約を比較してもまったく質の違…
トラックバック by 訳わからん このシャバは — 2009年09月15日 02:48
ちょっと独り言…
【筆者記】
総選挙は生活だけをよくする為につまり生活第一の優劣だけを決めるだけの選挙だったのだろうか。
この国をどのようにして導いていくのか、国際社会の中で日本はどこに行ってしまうのか、この国政でこそやるべきテーマに対してほとんど議論がされなかった今回の総選挙、生活は大事です、大切です、しかし自分たちの生活がどのようになっていくのかと言う論戦の中に少しぐらいは国の行く末を論じてもおかしくはない。
国政だからこそ語らなければいけないこの国の行く末に一言も語れなかった選挙、政策なき政権交代ありきの今回…
トラックバック by 訳わからん このシャバは — 2009年09月15日 02:55
鳩山新政権、混乱続々と。…
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トラックバック by 皇国の興廃、この一文にあり — 2009年09月17日 15:42
日本の衰退 櫻井よしこ…
中国も米国も、自国の国益を最重視した外交をしている。…
トラックバック by 風林火山 — 2009年09月21日 17:21
「核密約」を正す事で、国防は守れるのか!…
米海兵隊普天間飛行場の移設を含む在日米軍基地再編見直しについて、 米政府が「日本側から正式な提案があれば、協議に応じる用意がある」との意向を非公式に、 伝えてきた事が21日判ったが、これは今まで米側が、在日米軍基地の再編に関する 日米合意を堅持するよ……
トラックバック by 悲喜交々...reiko's blog — 2009年09月22日 14:30