「 楽観論が通用しない北方領土 問題の核心は4島の帰属にある 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年6月30日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 942 野田佳彦首相は20ヵ国・地域首脳会議(G20)で訪れたメキシコのロスカボスでプーチン・ロシア大統領と会談した。プーチン氏の直面する課題は将来にわたるロシア経済の基盤強化である。そのために日本の経済協力が欠かせない。 日本の最大の課題は北方4島の返還である。今日まで続く島の不法占拠を、1993年1…
「 福島で世論に迎合する民主党 」
『週刊新潮』 2012年6月28日号 日本ルネッサンス 第515回 週末、福島県郡山市で、小中学生の子供をもつお父さんやお母さん方約180人と「放射能」について語り合う会に行ってきた。主催はNPO法人ハッピーロードネット(HRN)である。会場の県農業総合センターは東京ドーム12個分の広々とした敷地にあった。高い天井にも、床にも、県産欅(けやき)の木材をふんだんに用い、壁の殆どがガラス面の建物は…
「 異質の価値観で生き残ろうとするロシア、中国との闘いは先鋭化 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年6月23日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 941 プーチン・ロシア大統領の内外にわたる強気政策は将来展望が見えない。 同大統領は5月18日にキャンプデービッドで行われた主要国首脳会議(G8)を欠席した。組閣で忙しいとの理由だったが、真の理由は米国主導で配備が進むミサイル防衛網(MD)への反発だとみられている。 MDについて、5月22日に北大西洋…
「 日印で微妙に異なる対米対露観 」
『週刊新潮』 2012年6月21日号 日本ルネッサンス 第514回 6月3日と4日、シンクタンク「国家基本問題研究所」(国基研)とインドの「ビベカナンダ国際財団」の間で交わされた日印協力の討論では、「アジアの協調」(Asian Concert)の重要性が強調された。他方、アジア協調の大きな枠組みについて、日印間の微妙な認識の相違も明らかになった。端的に言えば、米国とロシアの位置づけである。対中…
「 寬仁さまが語られた『天皇と皇室典範』論 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年6月16日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 940 三笠宮寬仁(みかさのみや・ともひと)親王殿下が6日、薨去(こうきょ)された。気概ある方だったと思う。 2006年に私は『皇室と日本人』という本を、寬仁さまと共著の形で出版させていただいたが、同書はその前年の殿下との対談を反映させたものだ。対談の焦点は、当時、小泉純一郎内閣の下で有識者会議が女系天…
「 日印協力を妨げる日本の憲法体制 」
『週刊新潮』 2012年6月14日号 日本ルネッサンス 第513回 6月3日から丸2日間、シンクタンク「国家基本問題研究所」(国基研)とインドの「ビベカナンダ国際財団」(VIF)による「日本とインド、いま結ばれる民主主義国家―アジア太平洋の安全と安定のために」と題した共同研究で討議を行った。2日目の公開セミナーは有料だったが、椅子が追加されるほど盛況だった。 日印協力への関心の高さは、中国…
「 中国のスパイ活動は巧みで包括的 急務の法整備と危機意識の覚醒 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年6月9日 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 939 諜報活動をしていた疑いのある在日中国大使館の一等書記官(45歳)に警視庁公安部が出頭を要請したが、同氏はすでに出国していたことが報じられた。「朝日新聞」は5月30日の朝刊で一等書記官を「李春光」と特定した。 出頭要請の表向きの理由は外国人登録証の不正使用である。李書記官は身分を偽って2008年に葛飾区…
「 沖縄の二大紙が報じない県民の声 」
『週刊新潮』 2012年6月7日号 日本ルネッサンス 第512回 沖縄の二大紙、「琉球新報」と「沖縄タイムス」を幾十年か、記憶に定かでない程の年月、購読している。 感想を率直にいえば、両紙はもはや新聞ではないと思う。理由の第一は、両紙がまったく同じ記事を掲載することが少なからずあることだ。社説まで一言一句違わないという印象さえ抱いてしまう。手元の直近の紙面でいえば、第6回太平洋・島サミットの5…
The Voice of the People Neglected by Okinawa’s Two Major Dailies
After having long subscribed to two major Okinawan dailies 窶錀 the Ryukyu Shinpo and the Okinawa Times 窶錀 I must confess with a deep sense of despair that I no longer can regard them as legitimate n…
「 いまは見かけなくなった日本の厳しい父親の愛の表現 」
『週刊ダイヤモンド』 2012年6月2日号 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 938 畏友、春山満氏と二人の若者による『若者よ、だまされるな!』(週刊住宅新聞社)から、日本人を変える強い力が生まれる気がする。 春山氏は58歳、ハンディネットワークインターナショナルのオーナー経営者だ。24歳で進行性筋ジストロフィーを発症、首から下の運動機能を失ったが、氏は決して後ろを振り向かない。…