「 悪法としか言いようのない『人権救済条例』を鳥取県はなぜ成立させたのかを問う 」
『週刊ダイヤモンド』 2005年12月24日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 622
「人権擁護法案」が国政レベルで争点となり、あまりの反対の強さに、法案の提出が出来ないでいるのは周知のとおりだ。
反対も当然で、この法案では「人権侵害とは(中略)人権を侵害する行為」(第二条)などと人権の定義が曖昧なことに加え、「侮辱、嫌がらせ」「不当な差別的取扱いをすることを助長し、又は誘発」(第三条)することなどが取り締まりの対象となる。だが、侮辱もいやがらせも、人間の心の内面にかかわる事柄だ。ある言動を、ある人は侮辱だと受け止めるかもしれない。一方、ほかの人はそうは感じないかもしれない。
心にかかわる問題を法律で規制することは不可能である。だからこそ、各国の人権法では、たとえば「人種によってアパートの入居者を制限してはならない」「貧富によって学校への入学を規制してはならない」など、具体的条件を挙げて、個別法で対処している。
日本政府の人権擁護法案は、個別法を飛び越え、心の問題までも含めてすべてを大ざっぱにくくるにとどまらず、差別の“助長”“誘発”さえも取り締まろうとする内容だ。これではいかようにも拡大解釈が可能だ。このような人権擁護法案が成立してしまえば、報道の自由や、言論・表現の自由が著しく阻害されるのは明らかだ。国政レベルでは、こうした懸念は一応理解されており、公明党が法案提出の意向を示し、また、自民党内にも同調する声があるにもかかわらず、現在のところは、人権擁護法案は塩漬けにされている。
ところが、この問題法案がもっと悪いかたちで、「人権救済条例」として鳥取県で成立した。片山善博知事の発案といってよい同条例について、現地で取材したジャーナリストの山田直樹氏によれば、人権救済制度の議論は2002年6月の県議会から出発したという。元部落解放同盟県連委員長の杉根修県議の質問に、片山知事が、地方単位で人権擁護機関をつくり、きめ細かい判断が下せるようにしたいとの趣旨で答えたのが始まりである。翌年9月に、知事は条例案の検討を「鳥取県人権尊重の社会づくり協議会」に諮問した。
同協議会には在日本大韓民国民団や在日本朝鮮人総連合会のメンバーも参加しており、彼らのつくった条例案は、国の人権擁護法案よりもさらに問題を含んでいる。たとえば、人権委員の国籍である。国の案では、全国に2万人を上限とする人権擁護委員が配置され、彼らが“人権侵害”の事例を調べて人権委員会に上げるのだが、この2万人に関しては、国籍条項がない。しかし、人権擁護のトップに立つ5人の人権委員会の委員は、日本国籍を持つ日本人でなければならないとされている。
鳥取条例では、その5人の人権委員に当たる人びとにも国籍条項がない。鳥取県は日本海に面し、松本京子さんをはじめ北朝鮮に拉致された可能性が否定できない特定失踪者が出ている。当然、拉致問題を憂える人びとは北朝鮮批判をする。そんなとき、国籍も問わず人権委員を任命し、きわめて曖昧な定義の下で人権問題を扱うとなれば、“人権”自体が悪用され、結果として真の人権が損なわれる危険性がある。
日本共産党は、別の視点からこの人権救済条例に反対の立場をとる。つまり02年3月に失効した同和対策特別法に替わるものとして、一部の人びとが人権救済条例を新たな「権益を得る足がかり」としてとらえているとの見方だ(「月刊地域と人権」2005年2月号)。
このような疑惑さえ招いている鳥取人権救済条例について、情報公開での好感度の高さにも反して片山知事は現在まで説明責任を果たしていない。人権侵害の悪法である人権救済条例をなぜ成立させたのか、説明すべきである。
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