「科学的検証のない温暖化問題 日本は排出権取引に参加すべきでない」
『週刊ダイヤモンド』 2009年2月28日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 778
「地球温暖化の原因はCO2(二酸化炭素)ではない」
約50年間にわたって地球物理学を研究してきた権威、赤祖父俊一氏が強調する。氏は、アラスカ大学フェアバンクス校(大学院)でオーロラの研究で博士号を取得、同大学物理学研究所所長、同大学国際北極圏研究センター所長を歴任した。
半世紀も海外で研究し、外から見る日本の姿は異常だと氏は指摘する。CO2原因説を額面どおりに受け入れ、CO2削減にかくも熱心に取り組んでいるのは日本だけだという。
「省エネでCO2を減らすのは大変結構なことで続けるべきだと思います。しかし、CO2と温暖化を結び付ける枠組みのなかで、日本が貴重な国の富と技術を決定的に奪われるとしたら、いたたまれません」と氏は嘆く。
地球温暖化は、その基本的問題さえ解明されていない新しい学問であることを日本人は知るべきだという。
「地球は1400年から1800年まで小氷河期と呼ばれる寒冷化を経験し、その後回復期に入り、現在まで続いています。それが今重要課題となっている温暖化で、1800年以来の現象です。この間の温度上昇は、直線的上昇で、氷河の後退も北極海の海氷の減少も、当時から始まっています」
1800年頃からの温暖化の直線勾配(気温の上昇率)は100年で0.5度(摂氏)だ。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が100年で0.6度とする過去の地球の気温上昇率の大部分は小氷河期からの回復が要因だと赤祖父氏は言うのだ。
だが、地球の気温も気象現象も、直線勾配に象徴されるようにすべてわかりやすく明確に発現するわけではない。
「小氷河期のなかにも準周期変動があります。準周期変動は1910年から40年までポジティブ、40年から75年までネガティブ、75年から2000年まで再びポジティブでした」
直線勾配のなかで、数十年単位の温度の上昇下降が繰り返されるわけだ。
「IPCCは75年以降の気温上昇を強調しますが、それは小氷河期からの回復と準周期変動が相まった結果である可能性が高く、IPCC報告やノーベル賞を受賞した米国のゴア元副大統領の強調とは違い、CO2とは直接関係がないのです」
とすれば、CO2排出権取引で日本が中国やロシアなどに莫大なおカネを支払うのは、赤祖父氏の指摘するように、いたたまれないことだ。確かに、40年から75年までの準周期変動では、CO2排出量はうなぎ登りに増えたのに対し、地球の気温は降下した。また、CO2は今も増え続けているのに、温暖化は2000年頃からすでに止まっているというのだ。
「IPCCの予測では気温は上昇を続けることになっていますが、この予測は2000年の最初から狂いました。彼らはこの“狂い”を一時的な、たとえばラニーニャ現象によるものだなどと言います。たとえ、一時的現象だとしても、炭酸ガスが急増するなかでの気温降下ですから、少なくとも、炭酸ガスによる温暖化を抑えるなにかがあると言わざるをえない。それは、地球の自然変動としか考えられません」
日常生活では温暖化の実感は強い。それは、CO2のせいではなく、地球の自然変動の結果で、自然変動について、地球物理学者らの明快な解答はいまだ出ていないというのである。
にもかかわらず、世界は、そしてとりわけ日本は温暖化はCO2が原因だとして削減や閉じ込めに膨大な資金をつぎ込もうとしている。
「温暖化問題は国際政治の道具となり、世界経済に深く織り込まれつつあります。世界を席巻するCO2原因説。私は津波の前に一人で立つ心境です」
温暖化問題で資金も技術も奪われかねない日本。赤祖父氏の提言について、もっと取材し、考えていきたい。
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