「 妥協の積み重ねで『強制』の濡れ衣 慰安婦問題は根本から論じ直すべき 」
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 682
米国下院本会議に、慰安婦問題についての対日政府非難決議案が上程された。1996年以降、6回目の試みで、これまでは否決されてきたが、今回は成立しそうな勢いだ。決議案の提出者は日系三世のマイケル・ホンダ議員。同案は、事実関係において決定的に間違っている。
ホンダ議員らはもともと、日本政府と軍が女性20万人を拉致、強制して性奴隷とした、なかには13歳の少女もいたなどと主張していた。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんと混同しているのかと疑われる主張とともに、敗戦時に日本政府が女性たちを大量虐殺したとも語っていた人物だ。一連の根拠なき非難は、さすがに決議案では削除されたが、軍が20万人を拉致、強制的に慰安婦にしたとの非難はそのままだ。しかし、「20万」という数、証言した「日本政府と軍による強制」について、ホンダ議員らは、韓国とオランダの元慰安婦の女性の言い分のほかには、なんら証拠を示していない。
92年から93年にかけて、日本政府が集め得る資料すべてを集めて“強制”について調べた結果、強制を示す客観的事実が何一つなかったことは記憶に新しい。にもかかわらず、なぜ、ホンダ議員らは「強制だ」「拉致だ」と主張するのか。過日のフジテレビの「報道2001」で再三質されたホンダ議員は、「証拠はある。日本政府が謝っているではないか。河野談話があるではないか」と繰り返した。
同議員が強制の根拠とした河野洋平官房長官(当時)談話は、93年8月4日、宮澤喜一政権の総辞職前日に出された。同談話は歴史を歪曲し、日本を不名誉の淵に投げ込むもので、歴史の汚点として残る恥ずべきものだ。
それは第一に、事実に反して「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等がこれに直接加担した」との表現で事実を歪曲した。河野氏は談話発表後の記者会見でも「強制連行の事実があったという認識か」と問われ、「そういう事実があったと。(それで)結構です」と答えている。
河野談話の不名誉の第二は、慰安婦の女性たちの「名誉」を尊重するために強制を認めてほしいとの韓国政府の強い要請に、なんの担保も取らず応じたこと。つまり国益なき外交だったことだ。93年当時、“軍の強制”を日本政府が認めたのは、慰安婦の女性たちの体験談が決定的だった。女性たちに深く同情はしても、証言は責任ある政治家、政府として公正に検証しなければならない。日本軍の行動を厳しく見詰めるためにも、証言の信頼性を調べなければならない。だが、そうした作業をいっさい行なわずに、河野談話は「強制」の濡れ衣を日本国に着せた。
いわれなき不名誉の淵に日本国を追いやったことについて、宮澤、河野両氏、当時官邸にいた外務省の谷野作太郎氏らの罪は限りなく重い。
そして今、日本政府は米下院にどのように対処しているのか。驚くべきことに、駐米大使の加藤良三氏が米政府への書簡で説明しているのは、日本政府はこれまでに幾度も謝ってきたということのみであり、最重要の「強制連行はなかった」という事実についての反論はいっさい行っていないのだ。
この件に関しては、日米両国に強制の有無を争うのは無意味だとの意見がある。知日派のマイケル・グリーン前国家安全保障会議アジア上級部長は、事実関係を争っても「日本が政治的に勝利することはない」「同情されるのは被害者女性だけだ」と述べている。
だが、この種の妥協の積み重ねが、今、日本に向けられているいわれなき非難になっているのだ。いかに困難であろうとも、検証された事実の徹底周知から始めなければ、この問題の真の解決はありえない。安倍晋三首相は、勇気を奮い起こし、万難を排して、事実関係の根本から論ずるのがよい。
「対人恐怖」ならぬ「仙人恐怖」(昭和天皇玉音放送に関する言及あり)
実は私、ここ何カ月間か仕事場にまともに行っていません。まあ、外回りとかしてい
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