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	<title>櫻井よしこ　ブログ！</title>
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		<title>「　党内民主主義の死か、別姓法案　」</title>
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『週刊新潮』　2010年3月11日号
日本ルネッサンス　第402回




鳩山由紀夫首相の後押しで、夫婦別姓法案が閣議決定されそうな状況が生まれている。以前から夫婦別姓法の確立に意欲を示してきた千葉景子法相は、民主党政権が実現した現在を好機ととらえ、作業を急いできたと思われる。鳩山内閣の支持率が下がる中、千葉氏が動きを加速させ、それを鳩山首相が「基本的に賛成だ」（2月16日）との発言で応援しているのが現在の状況である。

周知のように、もはや民主党内では自由な議論の場は存在しない。部門会議は廃止、議員立法は禁止、政策立案は全て政府が行う。自由な議論なしには民主主義は成り立たない。だが、表向き議会制民主主義の旗を掲げる小沢一郎幹事長も、小沢氏に従う首相も、自らの政治姿勢と現実のギャップなど、一向気にしない。

そんな状況下、わずかに用意された議論の場が省毎の政策会議だ。大臣、副大臣、政務官の三役で省の政策を決定し、閣議に持ち込んで閣議決定して国会に提出するのだが、その前段階で、副大臣主催の政策会議が開かれる。与党議員は参加して意見を表明することが許されている。

法務省は2月23日、翌日の政策会議は民法改正、つまり夫婦別姓法案が議題だと通知した。直前の発表自体、出来るだけ党内議論を回避したいと考えてのことか。しかも、24日の政策会議では加藤公一副大臣らが法案の説明をしただけで、議員による自由な意見交換はなかったそうだ（『産経新聞』2月25日）。仮にこのまま法案が決定され、前述のプロセスで国会に提出されれば、民主党の民主主義は死んだに等しいのである。

千葉法相が準備させた法案の骨子は、①夫婦は結婚に際して別姓か同姓を決定する、②決定後の変更は認めない、③子供の姓は夫婦いずれかの姓に統一する、である。

法案が成立すると、一体どんな影響が出てくるのか。また、この法案は日本の社会を構成する基本的価値観とどのように整合するのか。


社会の基本は家族

まず、日本社会全体への影響である。いま日本の社会を見渡すと、本当に多くの問題があることに気がつく。子供たちが親を殺害したり、安易に犯罪に走ったり、本来、優しい視線を注ぐべき弱者を苛めたり、そして何よりも自分自身の価値に気づくことなく、人生を投げやりな気持で浪費しているかのような若者も少なくない。頻繁に見られるこうした現象の背景に、家庭や家族の崩壊があると、私は感じている。それだけが原因ではないだろうが、ひとつの大きな原因だと思う。

その意味で、私たちはいま、家庭や家族の重要性に思いを致し、家族の絆や相互理解を深める努力をこそ重ねるべきである。夫婦も家族もバラバラにしそうな夫婦別姓の思想は、明らかにそれとは逆行する。

この問題に詳しい日本大学教授の百地章氏は、夫婦別姓が、家庭の崩壊と家族の絆の消失につながりかねないとして、次のように語った。

「千葉法相も福島瑞穂氏も、現行憲法の信奉者ですが、日本国憲法を作らせたマッカーサーでさえ、家族、家庭を社会の基礎として大事にしていたのです。現行憲法の作成過程を見ると、そのことがよくわかります。第二次試案に家庭と婚姻について定める条文が置かれ、『家庭は、人類社会の基礎であり、その伝統は、善きにつけ悪しきにつけ国全体に浸透する。それ故、婚姻と家庭とは、法の保護を受ける』と規定されていました。結婚、家庭、家族を大切なものと考える同条文は、現行憲法には必ずしもそのまま残ってはいませんが、それは、あまりにも当然のことなので書き入れなくてもよいと考えてのことでした。家庭や家族を否定したわけではないのです」

世界人権宣言にも「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する」（第一六条３項）と、規定されている。社会の基本は家族であり、個人ではないという認識は、国際社会共通のものだと百地氏は強調する。

このことをもう少し踏み込んで言えば、家族を家族として成立させる最低限の道徳や価値観を、施策を講じて守る努力が、国に求められているということでもあろう。

夫婦別姓の当然の帰結が親子別姓である。その場合、子供の側に生ずると予想される不安や不利益、一体感の喪失をどのように補ってやれるのか。親の愛に包まれ、保護を受け、絶対的な安心感の中で育てられるべき子供の立場から家族を見る発想が、別姓法案には欠けている。

一人一人を家族の一員としてよりも、個人と見做す別姓制度が2代、3代と続けば、家族の連続性が見失われる事態が起きてくる。百地氏は次のように警告する。

「たとえば、片方とはいえ親と別姓の子供は、おじいさんやおばあさんとも別姓になる確率が高くなります。家族が別々の姓で暮らす中で、祖先の祭祀やお墓の維持は、ますます、蔑ろにされていくでしょう」


『楽しくやろう夫婦別姓』

祖先を大事にし、お墓を守っていくことは日本人の価値観の基本である。しかし、問題はこの基本部分が崩壊しつつあることだ。だからこそ、別姓問題も起きてくる。現に福島氏を含む共著『楽しくやろう夫婦別姓』（明石書店）はこう書いている。

「日本のお墓はめったやたらと暗い。（中略）それは、墓石の黒さだけによるのでなく、お墓の中に、序列・競争心・権威がプンプンただようからだ」と書き、その「きわめつけは、『○○家の墓』という、あの家を誇示する表示」と断じている。

氏らは、日本のお墓をハワイの墓地、パンチボールと較べて書く。

「『これがお墓？』というくらい、明るく美しい。思わずねころんでみたくなるような、一面のみどりの芝生」

福島氏らは、パンチボールを、「太平洋国立墓地」と解説しているが、実はここは軍人たちとその家族の墓である。日米が戦った第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などで戦死した軍人のみならず、それらの戦争で戦い、兵役を無事に務めた元軍人らが眠る墓所なのだ。

私はハワイ州立大学で学んだが、恩師の一人は第二次世界大戦で日本と戦い、現在、90歳近いお年である。恩師は、自分が永遠に眠る場所はパンチボールしかなく、先に逝った妻はもうそこで僕を待っていてくれると語る。福島氏が靖国神社に参拝したとは寡聞にして知らないが、戦争や軍事を殊の外嫌う人物が、ハワイの軍人たちの墓であるパンチボールを「明るく美しい」と絶賛し、「ねころんでみたい」というのである。

戦争、歴史、一切の価値観に関して、日本を悪し様に考える思想が、夫婦別姓推進の背骨になっていると言えば言いすぎであろうか。そんな背景を考えれば、別姓法案には、尚更、賛成出来ないのだ。



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		<title>番組のお知らせ</title>
		<description><![CDATA[
明晩、NHKの番組に出演します。
生放送です。
どうぞ御覧になって下さい。

「日本の、これから」
～いま考えよう日米同盟～


チャンネル　：　NHK　総合テレビ
放送日　　　：　2010年 3月12日（金）
放送時間　　：　午後10:00～午後11:30（90分）


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		<title>「　ミサイル迎撃能力を持った中国　米国介入の阻止で領域拡大を狙う　」</title>
		<description><![CDATA[
『週刊ダイヤモンド』　　　2010年3月6日号
新世紀の風をおこす　オピニオン縦横無尽　828



英国の有力シンクタンク、国際戦略研究所（IISS）が、中国が1月11日に行った弾道ミサイル迎撃システムの「技術実験」に成功したとの分析を発表した。これによって中国は、米露と並んでミサイル迎撃能力を持つ国に仲間入りしたことになる。

中国のミサイル開発は1970年代から始まる。21世紀の大国となるには宇宙と海洋における軍事的優越性の確立が欠かせないとの考えからだ。

宇宙も海洋も多くの未知の可能性を含んだ領域であり、それに関する研究も開発も、大いに結構だ。だが、中国の迎撃ミサイル技術の確立は人類にとって何を意味することになるのか。答えを得るために、中国の宇宙や海洋に対する考え方を見てみよう。

彼らの海洋に対する考え方はすでに明らかだ。東シナ海は沖縄トラフまですべて中国の海だと主張する。中国の大陸棚の延長なのだから当然だという理屈だ。しかし、日本を含む国際社会全体は海上の境界線は海底の地形のいかんにかかわらず、中間線を基本とすると考える。中国の考え方は、国際社会のそれとは異質なのだ。

宇宙に関しても中国は特異な考え方を表明してきた。米国議会の常設政策諮問機関である「米中経済安保調査委員会」の報告書を見てみよう。

ちなみに、同委員会は、民主、共和両党が選んだ専門家で構成される超党派の組織だ。米中の経済関係が米国の国家安全保障に及ぼす影響の調査を目的とする。その研究への評価はきわめて高い。2008年の同委員会の報告書は次のように分析している。

「多くの中国人学者たちが、中国の統治する空間は領土上空に始まり、宇宙に向かって無制限に延びている、という主張をしている。中国当局は、自国の主権が宇宙にも及ぶことを明記した国内法をまだ制定はしていない。しかし、人民解放軍の著名な戦略家の蔡風珍将軍は、『一定地域の地上、上空、宇宙は切り離し不可能の統合体である。これらは現代の情報化戦争の戦略的な司令高度なのだ』と主張している」

国際社会には、宇宙上空のどの高さまでが、その国の領空なのかという規定はないが、一定の高度以上の空間は人類共有の空間だという考え方は受け入れられている。だからこそ、国際宇宙ステーションの建設をはじめ、多くの宇宙衛星の打ち上げが可能だ。

ところが、中国は、地上とその上空、宇宙は切り離すことの出来ない統合体だとしたうえで、「情報化戦争の戦略的司令高度だ」と主張するわけだ。海洋権益の貪欲な追求と同様に、宇宙権益についても貪欲かつ独善的な主張を展開しているのだ。

中国はこのような意図を具現化する力をつけつつある。ミサイル迎撃実験での成功もその一つだ。前述の委員会は、中国の宇宙に寄せる意図が、他の国々とは異なり濃い軍事的色彩を帯びていると分析する。

「（中国は）宇宙での軍事行動につながる兵器類の大規模な開発計画を進めている。衛星通信妨害装置、全地球測位システム（GPS）妨害装置、衛星攻撃ミサイル、レーザー兵器など、宇宙用兵器の開発や配備を野心的に実行している」

中国人民解放軍の基本目標は、「自国の主権の強化」である。そのことは中国の「国防白書」2006年版にも明記されている。彼らの主権は軍事力によって強化され、まず、アジアで確立される。

その際の中国の最大関心事は米国の介入を阻止することである。ミサイル迎撃実験の目標も同様であろう。

米国がその海域で力を失い、あるいは撤退したとき、中国は南シナ海の西沙諸島、さらに南沙諸島を取った。東シナ海、尖閣諸島、沖縄で同じ運命をたどらないためにも、鳩山政権は普天間問題を解決し、日米同盟を強化しなければならない。


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		<title>「　捕鯨、怯まず正しさを主張せよ　」</title>
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『週刊新潮』　2010年3月4日号
日本ルネッサンス　第401回



2月21日、豪州を訪れた岡田克也外相は、西海岸の町、パースでスミス外相と会談した。世界屈指の美しさで知られるパースの自然とは対照的に、会談では鯨問題を巡る険しい対立が浮き彫りにされた。

南極海での日本の調査捕鯨に対して、米国の反捕鯨団体シーシェパード（SS）の妨害が続いているのは周知のとおりだ。SSは、本部を米国に置き、カナダ、豪州、ニュージーランドなど複数国のメンバーで構成する。彼らの3隻の船籍はオランダ、ニュージーランドに分散されている。

SSの活動は豊富な資金に支えられ、年々激化してきた。失明の恐れのあるレーザー光線を捕鯨船に向けて発したり、スクリューに巻きつけようと船の後方にロープを投げ入れたり、人命損傷や船の大破につながりかねない攻撃はテロに等しい。

にも拘らず、SSに、日本の捕鯨船攻撃のための「母港」を提供する豪州政府は、日本政府の出入港の禁止の要請を拒否し、国際司法裁判所に日本を提訴すると表明した。

本来なら貿易、環境、安全保障面で二国間関係を深める前向きの協議にならなければならないところを、両国外相会談は鯨問題で躓き、むしろ、摩擦を生み出しつつある。

私は、捕鯨問題からどうしても満州事変を連想してしまう。ワシントン体制で定められた国際条約を踏みにじり、日本を挑発し続けた中国に、日本が遂に行動を起こしたのが同事変である。駐中国米公使マクマリーは、事変を起こした日本を厳しく批判しながらも、そこに至るまでに、いかに日本が国際条約を守ろうと誠実に努力したかを強調したうえで、「満州事変は中国が自ら蒔いた種を刈り取っているようなものだ」と述べた。真の責任は中国にあると断じたわけだ。が、国際社会は中国に同情し、日本を悪者扱いした。


中曽根元首相の妥協

捕鯨問題では、国際捕鯨委員会（IWC）の決定から見ても、国際法から見ても、正しいのは日本である。間違っているのはSSと彼らを支える反捕鯨諸国である。しかるに、国際社会にテロリストと見紛うSSへの支援の輪が厳然として存在するのはなぜか。38年間、捕鯨問題を研究してきた水産ジャーナリストの会会長の梅崎義人氏は、日本政府の重ねた妥協が原因だと語る。

「IWCは1982年に、3年後の85年から商業捕鯨を中止してモラトリアムに入ると決定しました。しかし、モラトリアムに必要なIWC科学委員会の勧告は得られず、同宣言は無効のはずでした。このとき日本は決定に異議を申し立てて商業捕鯨を続けようとした。事実、ノルウェーはIWCの決定を不当として従わず、現在も商業捕鯨をしています」

が、思わぬことが起きた。日本政府が腰砕けになったのだ。

「異議申し立てに、官邸から中止の指示が下ったのです。中曽根康弘元首相でした。米国も、日本が異議申し立てで商業捕鯨を続けるなら、米国の海岸から200海里以内の日本の操業を禁止すると、強い圧力をかけました。日本は引き下がりましたが、ノルウェーは、捕鯨をやめればシシャモが全て鯨に食べられて沿岸漁業が潰れるとして突っぱねたのです」

85年といえば、中曽根元首相の靖国神社参拝を、中国が初めて批判した年だ。氏は批判に屈して翌年から一切の靖国参拝をやめた。以来、中国は日本非難の靖国カードを手に入れ、今日に至る。

中曽根元首相は、氏の国際外交の基本は「右手に禅、左手に円」だと述べた。日本文化を高く掲げ、経済力と合わせて国際社会に地位を築くという意味だ。実際には、しかし、氏は日本の価値観の象徴である靖国参拝を放棄し、伝統的食文化を支える捕鯨でも、妥協していたわけだ。

こうして日本は商業捕鯨から撤退し、87年から調査捕鯨の時代に入った。確かなことは、調査捕鯨はIWCが認める合法活動だということだ。だが、SSもグリーンピース（GP）も違法かつ危険な妨害をやめないのである。

この1年、政府は一体どんな手を打ってきたのか。梅崎氏が語る。

「政府はオランダ政府にはSSの船の船籍剥奪を、豪州政府にはSS船の豪州の港への出入りを禁止するよう、要請してきました。けれど、両国から回答はなかったのです」

回答も得られず、1年が過ぎた。そして昨年10月に来日したオランダ首相、バルケネンデ氏に鳩山由紀夫首相が「旗国としてのきちんとした対応」を求めた。オランダ政府は今年2月5日までに、妨害船の船籍剥奪を可能とする船籍法の改正案を議会に提出した。対照的なのが豪州政府だ。前述のように、岡田外相に「出入港を禁止する法的根拠はない」と、拒否回答をした。


無意味な個人的嗜好論

ケビン・ラッド労働党党首は07年の総選挙で「日本の調査捕鯨の違法性を国際法廷で訴える」との公約を掲げ、環境団体の支持も得て、首相に就任した経緯がある。政権には、GPの元理事、ピーター・ギャレット氏が環境大臣として入閣している。

親中派のラッド政権は、誕生当初から厳しい対日政策を展開し、政権発足翌年の春、18日間の外遊に出たが、欧州、米国、中国を訪れながら、日本には立ち寄りもしなかった。

GPとSSは、表向き別団体ではあるが、両者は協働関係にあると見てよいだろう。過激で、違法行為も厭わない両団体に代表される環境保護勢力が、ラッド首相の有力支援団体のひとつであるなら、同首相は政治的思惑からも、日本に不当な圧力をかけ続けると考えてよいだろう。

では、日本政府はどう対応すべきか。まず何よりも事実を前面に押し出し、日本の立場を主張しなければならない。IWCの科学委員会は、日本が実施してきた精緻な調査結果を非常に高く評価し、一定数の鯨の捕獲を必要と認め、支持してきた。だが、総会では、科学が置き去りにされ政治的思惑が前面に躍り出る。

それでも、SSなどの挑発に乗って力による紛争を起こすことは得策ではない。その代わり、断固たる法的措置と、なお粘り強く、決して負けない説得が必要となる。鯨が食べる魚の量は年に約4億トン、人類の年間漁獲高9,000万トンを大幅に超えていることなど、日本の科学調査結果の周知徹底とともに、日本の食文化として鯨の位置づけをこそ、語らなければならない。

幸いにも、豪州にも米国にも、一方的に日本を非難するだけではないメディア論調もある。鳩山首相は先のオランダ首相との会談で、「自分自身は鯨肉は大嫌い」と語ったそうだが、無意味な個人的嗜好論から離れ、国際政治は「友愛」だけでは片づかないことを肝に銘じるべきだ。日本の立場を主張する首相としての原点に立つことである。


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		<title>「　ＣＯ２温暖化説を疑い始めた英国　なぜ日本に検証の動きはないのか　」</title>
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『週刊ダイヤモンド』　　　2010年2月27日号
新世紀の風をおこす　オピニオン縦横無尽　827



まだ暗いうちから起き出して少し空が明るくなる頃、ちょうど仕事に区切りがついた。障子を開けてみて驚いた。庭一面、雪で覆われている。急いで障子を全開にして、雪の舞い降りる様を眺めた。なんと静かで美しいことか。

今年2度目の雪である。サクラの花の頃まで、まだ幾度か降るのだろうか。

それにしても、今年の冬の寒さは厳しいような気がする。今年数え年で100歳になる母と同居しているために、なるべく家を暖かく保っているが、いちばん寒いのが私の書斎である。去年も一昨年も同じ条件のはずなのだが、今年の寒さは例年以上だと感ずる。ずっと座って何時間も仕事をする人間の、それが、体感である。

そんなとき、CO2削減や排出枠取引などの問題とはまったく別に、温暖化問題について考える。過日、ワシントンの大雪情報を報じながら、古舘伊知郎氏が「報道ステーション」で思わずこんなふうに言っていた。

「温暖化だというのにこの大雪、寒さ。私の頭の中も混乱しています」

氏は、温暖化問題というと、いくぶん声を低めにして深刻な表情をつくり、「CO2問題は待ったなしです」などと、警告を発してきた人物だ。氏の気持ちも想像出来ないわけではないが、私は思わず呟いた。「もう少し幅広く、情報をお取りなさいね」と。

世界各国の主な気象研究所のデータを拾ってみると、地球の気温はこの10年、上昇をやめている。というより、下降しているのだ。かといって地球は広く、地域によって大きな差があるために、私たちはなかなか、科学的な数字そのものを体感できるわけではない。たとえば大都市の居住者は、膨大なエネルギーを消費する町の熱の中で暮らしているために、気温の下降は実感できないだろう。けれど、考えるための材料の一つとして、主要研究所の観測データが気温の下降傾向を示しているという事実だけは、頭に入れておくのがよいだろう。

昨年11月に、英国のイースト・アングリア大学気候研究所ユニットのコンピュータにハッカーが侵入し、研究者間でやり取りされた膨大なメールがネットに流出した。メールは国連の気候変動に関する政府間パネル（IPCC）の研究者らが書いたもので、その中にCO2と気候変動を因果関係で結び付けるために、数字に「トリック」を使ったなどという内容のものがあった。

IPCCの報告書で、人類は早急にCO2削減に向けて対策を立てる必要があるなどの警告を発する側に立つ研究者らのメールにも、同様の内容が散見されたことから、国際社会はこの件で議論が沸騰した。欧米諸国では、この問題は議会で取り上げられもした。

メディアも「クライメートゲート」として大々的に伝え、IPCCの研究者たちが、温暖化はCO2が原因だと結論づけ、宣伝するために、科学をどこまで歪めたのかを検証した。

興味深いのは日本の反応だった。メディアの報道が非常に少ないのだ。古舘氏のニュース番組は、CO2問題について熱心であることから、膨大なメールの中にいったい何が書かれていたのかを、時間をかけて検証するのかと期待しないでもなかったが、番組で取り上げたとは私は寡聞にして知らない。

鳩山由紀夫首相も、国連で25％のCO2削減を国際社会に向けて公約した立場から、本当に温暖化とCO2には因果関係があるのか否かを、もっと真剣に研究してもよいはずである。

しかし、日本のどこを見ても、流出メールの検証をはじめ、CO2原因説に疑問を投げかけるまじめな議論は見当たらない。科学の目が、政治の目に圧倒されているのだ。CO2で極めて政治的な動きを展開してきた英国でさえも、CO2が温暖化の原因か否かを、疑い始めた今、日本こそ、もっと情報を大事にしなければならない。

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		<title>「　遂に民主党も消費税率の議論解禁　」</title>
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『週刊新潮』　2010年2月25日号
日本ルネッサンス　第400回



「小さな前進、大きな後退。これが民主党政権の政策です」

小泉政権で日本経済の舵取りをした竹中平蔵慶應義塾大学教授がこう語ると、会場はどっと沸いた。次に、民主党の内閣府副大臣、大塚耕平氏が「消費税」について語ったとき、立ち見も出た会場の聴衆が耳をそばだてた。

「消費税について、次の総選挙では何％にしてどういう使い方をするということを掲げない党は、国民の皆様にむしろ信頼されない、そういう局面を迎えつつあると思います」

「党としての数字は（明言するのは）難しい。私個人が（有権者の気持を）勝手に忖度すれば、恐らく20％まで上げてよいとは思ってもらえない。一方で、現状は一桁で回っていく状況ではない。二桁の、20に至らない数字が現実的だろうなと思います」

「財政を黒字化するために、歳入に手を入れなければなりませんので、消費税が今度の総選挙で、まさしく課題になると思います」

折しも、2月14日、菅直人財務相が消費税率引き上げを含む抜本的税制改正について、3月にも議論を開始する旨、明らかにした。鳩山由紀夫首相は今後4年間の消費税据え置きを明言してきたが、危機的な財政状況を考えれば、税率は上げる方向に進まざるを得ないということだ。その上げ幅の論議が次回選挙の争点になると、大塚氏は述べたのだ。

竹中、大塚両氏の発言は、2月12日、シンクタンク「国家基本問題研究所」主催の月例研究会「民主党の経済政策で日本は生き残れるか」でのものだ。セミナーでの争点は、子ども手当に代表される「分配政策」に加えて、民主党に経済全体を成長させる「成長戦略」はあるのかという点に絞られた。どこまで「大きな政府」を作るのか、財源はどう手当てするのか、民主党よ、答えてほしいという空気が会場に満ちていた。


絶対に持たない政策

子ども手当、農家への戸別補償、母子手当、父子手当、高速道路の無料化などのバラ撒き政策のすべてに関して、誰の責任でどう実施するのか、その結果、日本と日本人の在り方はどう変わるのかを考えなければならない局面に、私たちは立たされている。民主党の大きく優しい政府の実現には、税制も税率も変えてより重い負担を国民に課す必要がある。手厚い行政を賄うための国民負担に言及しないできたこれまでの鳩山政権は無責任なのである。

竹中氏は自助自立の重要性をまず強調し、麻生太郎氏と鳩山氏の政策はマクロ経済において酷似していると指摘した。

「政権交代で変わったのはおカネを出す先です。民主党になって、業界団体や土建屋さんから、農家や家計に出す先が移った。困れば政府が助けてあげますということです」

結果、財政赤字の拡大がとまらず、経済成長が見込めないどころか、いまのままいくと、民主党の政策は絶対に持たないと竹中氏は断言する。政策の転換を迫られるか、大転換の前に市場が破綻してトリプル安のような大きな問題が起きるというのだ。

大塚氏は、自助自立の重要性に同意しつつも、自民党政治では、育つ産業も育たなかったとして医療を例にとった。

「経済の原点は需要と供給です。新しい需要が生まれれば新しい企業や産業が育つ。現在の新需要の典型は医療で、政府の医療支出も確実に増えています。私の世代は、21世紀には世界中から日本に医療を受けにくる、日本はそれだけの医療先進国だと思っていたら、想像も出来ないことがいま起きている。日本に来るのでなく、逆に、外国に医療を受けに行く時代になった」

その原因は、たとえば、独立行政法人医薬品医療機器総合機構（PMDA）だという。新薬や新技術の導入に関して規制が強すぎ、許可が下りるまでに時間がかかり、結果、立ち遅れの原因となっている。つまり、従来の政治は十分な規制緩和をしていないではないかというのだ。

そのとおりだ。ただ、民主党の矛盾は自助自立や規制緩和の重要性を言いながら、他方で、たとえば医療について言えば、新たな独法である地域医療機能推進機構を作る姿勢を示すなど、規制強化につながる動きもみせていることだ。国民がいま注視するJAL救済策も自助自立に反するではないか。

大塚氏は自民党時代を「失われた20年」として振りかえり、政府が世界の金融、経済情勢の変化に対処しきれなかったとも指摘した。経済を支えてきた為替、護送船団方式と間接金融資本主義、企業の資本力を支えた含み経営がもはや成り立たなくなったにも拘らず、自民党政府はそうした環境の大変化に対応出来なかったというのだ。


民主党の柔軟さを…

確かにそうした面もある。小泉政権当時の竹中氏の論は非常にわかり易く説得力があった。しかし、氏と小泉首相の5年余は、国民に幸せをもたらし、真の経済成長を生んだのかとの疑問も残る。竹中氏が語った。

「失われた20年ではありません。失われた12年と、下げ止まった5年、最も失われた3年です。経済も確かに成長しました。90年代は10年間で130兆円、GDPの26％も予算を公共事業に積み増して、年1％しか成長出来なかった。小泉内閣の5年半は公共事業を減らしながら2・2％成長し、内70％が内需でした。その間に株価は80％上がり、失業者は100万人減りました。格差拡大というけれど、小泉内閣のときは所得配分の不平等を示すジニ係数は上げ止まった。格差は拡大していないのです」

数字は氏の主張を裏打ちしている。それでも小泉・竹中政策に影を見出す人々が少なくないのは、どこまで自助自立を自身の価値観として身につけているかの問題でもあろう。
竹中氏は、民主党の成長戦略そのものが間違っていると指摘する。

「今後10年間で年率２％の成長と民主党は言います。ここから名目成長分を引けば、実際の成長は、年1・3％です。これは先程指摘した失われた10年の成長率と同じで、低成長戦略でしかありません」

竹中氏はまた、民主党の来年度予算は「オーバーキル（過剰な景気引き締め予算）」だと懸念する。
「今年度の最終的な赤字国債は53兆円。民主党の来年度予算の赤字国債は44兆円です。一気に9兆円、GDPを1・8％下げる計算です。下げてよいのは精々0・5％程度、これは急激すぎる。下げすぎです」

こうした議論の末に、前述の内閣の路線変更策、消費税率上げの発言が飛び出した。民主党の経済政策への疑問や不安は払拭出来なかったが、救いは大塚氏の逃げない姿勢にあった。全体的に不利な状況で議論が進む中、氏の前向きに議論する姿勢こそ、民主党の柔軟さを象徴するものであってほしいと、私は願っている。


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		<title>「　中国の軍拡による日本の危機を真摯に訴える『日本核武装入門』　」</title>
		<description><![CDATA[
『週刊ダイヤモンド』　　　2010年2月20日号
新世紀の風をおこす　オピニオン縦横無尽　826


中国の軍事戦略の分析における第一人者が平松茂雄氏である。防衛研究所に20年、杏林大学総合政策学部の教授として18年、その後現在に至るまで40数年間、中国の外交・安全保障戦略を研究してきた。膨大な数の著書を世に問うてきた氏が、今回は漫画に挑戦した。原作・監修が平松氏、漫画が丹州一心氏による同書は『日本核武装入門』（飛鳥新社）である。

平松氏と漫画という予想外の組み合わせに、「活字離れの激しい今、少しでも多くの人に、日本の危機を知ってほしいから」と氏は語った。

氏は長年、中国の軍事戦略が日本にもたらす危機を誰よりも詳しく、正確に、早い段階から書いてきた。政府に直言し、閣僚に情報提供し、分析と予測も発表し続けた。中国による東シナ海のガス田開発の動きもいち早く把握し、政府に、対処策を講じなければ手遅れになると、どの新聞社も報じない時期から警告を発してきた。

だが、海洋国家でありながら、海の持つ戦略的重要性をまったく意識しなかった日本政府は、氏の警告に耳を貸さず、逆に「あなたは心配し過ぎだ」と笑って受け流したという。

中国の海洋軍事戦略は氏の予測どおりに進んできた。そして今、台湾海峡における軍事的優位の確立、東シナ海の日本の海への侵略、尖閣を含む沖縄諸島の領有権主張、米国の動きを封鎖する海と宇宙における前例のない軍拡、これら一連の現実の先に待ち受ける日本の運命を、『日本核武装入門』で氏は次のように予測する。

「残念ながら日本は……少なくとも日本文化は必ず終焉を迎える」「君たちが生きている間にね！」

日本は確実に中国によって滅ぼされ、子どもたちの読む本も日本語ではなく中国語で統一されるようになると断言するのだ。一見乱暴で、起こりえない事態の空想だと感ずる人がいてもおかしくない。まさか、近未来に、日本が中国に併合され、「日本人」から「日本族」になるなどとは、誰も考えない。

しかし、平松氏の作品をしっかり読むと、暴論に思える氏の論や、的はずれに思えるその危惧が、明確かつ堅固な根拠に基づいていることがわかる。中国の軍事戦略と、他国の領土領海への侵略・拡大について、氏の予測と分析はことごとく当たってきた。今、氏が警告する日本の運命が現実となる可能性もある。そのような事態の発生を防ぐ手立てはただ一つだと、氏は静かに語る。

「日本が核を持てば、あるいは助かるかもしれない」と。

日本人のあいだでは、核は忌み嫌う対象である。そのことを承知しつつ、氏は強調しているのだ。

「われわれ日本人は（核を）持つことが最大の抑止力だということにいい加減に気づかねばならないだろう」

「国際政治からいえば、日本は唯一核を持って許される国だった。なぜならば唯一の被爆国だからだ」

「核を落とされたのだからまた落とされないように核で防衛する。この核保有の論理が通用するのは日本だけ」

はたして、氏の論に、否、氏が明確な論拠を基に示す数多くの事実に、正面から対座し、誠実に考えるだけの政治的成熟を、私たちは身につけているだろうか。少なくとも鳩山政権の中枢を占める人々には、とうてい期待出来ない。であれば、国民が、信念を持って問題提起しなければならない。

そのためには、まず事実を知ることだ。大半を絵が占める本書のページをめくってみれば、専門的な事柄が、非常にわかりやすく描かれているのに驚く。オバマ大統領の「核兵器のない世界」に向けての演説が、日本に平和や安定よりも危機をもたらすことの解説も含めて、活字の好きでない人々にも読んでほしい。中国の軍拡の目的と実態を具体的に知ってみれば、じつに衝撃的で恐ろしい世界が見えてくる。

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		<title>「　スリランカが守る鳩山援助隊　」</title>
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『週刊新潮』　2010年2月18日号
日本ルネッサンス　第399回


日本時間の1月13日にハイチで起きた地震は、総人口1,000万人の国に死者21万人強、被災者300万人強の被害をもたらした。90％以上の建物が崩壊し、首都ポルトープランスは壊滅した。あれから約ひと月、瓦礫の片づけははかどらず、医薬品も食糧も水も不足している。

地理的に見てハイチは米国の裏庭である。それだけにオバマ大統領は直ちに反応した。ハイチ問題についての、最初の演説でこう語っている。

「ハイチ問題最優先」で「米国の指導力」を発揮する。「神の恵み」の下で、「南の隣人たちと連携」する。「陸軍、海軍、海兵隊、コーストガード」を投入し、「米軍は24時間体制の」救出活動を行い、「政府は1億ドル（約90億円）を支出する」。

ハイチは数年前まで、激しい反政府武装勢力の活動で社会不安が続いていた。国連は04年に、PKO部隊、「国連ハイチ安定化派遣団」を送った。06年の選挙で新政府が発足し、ようやく治安が回復しつつあった矢先の地震だった。

このハイチに外交攻勢を強めたのが中国だ。中国は04年以降国連PKOに150人の警察部隊を派遣していた。今回の地震で中国部隊の幹部8人が死亡、中国政府は彼らを「英雄」として国葬で讃えた。

中国がハイチに力を入れる理由に、中南米における台湾の影響力排除があるのは明らかだ。現在、中国とハイチ間に国交はない。台湾と国交を維持する国は現在23ヵ国で、内12ヵ国が中南米に集中しており、ハイチはそのひとつなのだ。

もうひとつの理由は米国の裏庭に影響力を及ぼすことだ。中国の動きは素早く、中国軍の第一陣は地震発生から33時間でポルトープランスに到着した。米国、アイスランド、プエルトリコに続く早さだった。

日本はどうか。施政方針演説で声を限りに「いのち」と連呼した鳩山由紀夫首相は、ハイチの地震発生から約36時間後の1月14日夕方、記者団の質問を受けて、述べた。

「多くの人命が失われたこと、心からお悔やみを申し上げたい」

陸上自衛隊の国際緊急医療援助隊（国緊隊）が派遣されたのは地震発生から9日目の1月21日だった。彼らは23日に現地入りし、医療活動を開始した。


サマーワと同じ構図

自然災害時の援助では、何よりも即応することが大事である。だが、被害国の状況によっては、医療活動といっても危険が伴う。ハイチの場合、元々の社会構造の不安定に加えて、食糧や水不足による不安と不満が募り、国連援助隊が住民に襲われるケースも多発した。逃げきれず、国連側が催涙スプレーをかけたケースさえある。医療隊といえども、身を守る武器携行が必要である。

今回、国緊隊の派遣に関して政府決定が遅れたのは、まさに隊員の「いのち」をどう守るのかについて、判断出来なかったからだ。関連法は国緊隊の武器携行を禁じている。かといって、ハイチでは国連PKO活動が続いていたのである。それは紛争が続いていることを意味する。刻々と入ってくる情報も、ハイチの社会不安と危険性について警告するものばかりである。そのような地域へ自衛隊を丸腰で派遣して、隊員の安全を担保出来るのか。その見極めに時間がかかり、9日がすぎたのだ。

安全確保に目処がついたからこそ、派遣に踏み切ったわけだが、具体的にはどういうことだったのか。国緊隊の約100名は、首都から西方約40キロの町、レオガンの、エピスコパル大学の敷地に診療施設を設営し、すでに千数百名の患者を手当した。

その彼らの安全を守るのはスリランカ軍である。エピスコパル大の設営場所から1.5キロ先に、国連のスリランカ軍２個中隊が設営しており、国緊隊に危険が及ぶような場合、目と鼻の先から救援に駆けつけてくれるという想定なのだ。国緊隊の設営場所は、スリランカ軍との距離の近さもあって決定されたといえる。

そのことを知って思わず嘆息するのは私だけではあるまい。イラクのサマーワで活動したとき、自衛隊の安全を英国軍やオランダ軍に守ってもらったのと同じ構図である。だが、スリランカの人口は2,000万人強、およそすべての面でわが国よりはるかに小国だ。その小国に、日本を守る負担をお願いしなければならないのだ。スリランカの人々に感謝しつつも、このような体制からは一日も早く脱しなければならない。

日本が国緊隊を派遣した1月21日、国連は軍事部門で2,000名、警察部門で1,500名のPKOの派遣を諸国に要請、日本政府は応えて、2月5日に自衛隊員350名の派遣を閣議決定し、一次隊の6日の派遣にこぎつけた。護身用の武器として、拳銃、小銃、機関銃も携行を許された。自衛隊のPKO部隊は避難民収容施設の用地造成や瓦礫の撤去、道路整備などを担当するという。

鳩山首相はこの展開について、「2週間という（短時間で）PKO派遣を決めることが出来た。今までになかったことで、感慨無量の思いがございます」と語っている。


自衛隊派遣の恒久法を

たしかに従来のPKO派遣に要した数ヵ月単位の時間に比較すれば、今回の派遣はかなり早い。理由は大別して2つある。

ひとつは防衛大臣直属部隊としての中央即応集団が07年3月、自民党政権のときに創設されていた点だ。中央即応集団は陸上自衛隊朝霞駐屯地に本部を置き、約4,000名の隊員で構成する。目的は「国際平和協力活動や国内の各種事態への即応」だ。すぐ任務に飛び出せるように、あらかじめ種々の予防接種を受けている。全員のパスポートは金庫に保管され、装備も整えられている。同集団創設以前は、隊員への予防接種だけで月単位の時間がかかっていた。

別の理由は、与党となった社民党が日本国の責任を認識し現実路線を選んだせいか、自衛隊のPKO派遣に反対しなかったことだ。野党の自民党も無論、反対しなかった。

自衛隊のPKO部隊の派遣に米国は好意的である。「米国の裏庭」で進む中国の影響力拡大の動きに当然、彼らは苦々しさを覚えているであろう。そこに価値観を共有する同盟国として、本来、協力が期待されている日本がかつてない早さで援助に入ったのだ。インド洋からの撤退や普天間飛行場移設での迷走が、これで帳消しにはならないが、鳩山政権への否定的見方を幾分緩和する材料にはなるだろう。

それにしても、この機会に鳩山政権が手をつけるべきことがある。自衛隊のPKO派遣をその度毎に決め、常に行動が遅れて評価されない現行制度から脱却して、今回のように素早い対応を可能にする自衛隊派遣の恒久法を制定することだ。自民党に異論があるはずはない。外交・防衛で一致協力するよい機会である。
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	<item>
		<title>「　日本固有の文化文明を壊す『夫婦別姓法案』に反対　」</title>
		<description><![CDATA[
『週刊ダイヤモンド』　　　2010年2月13日号
新世紀の風をおこす　オピニオン縦横無尽　825


民主党の小沢一郎幹事長らの強い指導で推進されているのが外国人参政権法案である。これは民主党の政策集「INDEX 2009」には書き込まれていたが、選挙に際して掲げられたマニフェストからは削除された。同法案の問題点についての国民の理解は進み、危機感も強まっているが、その陰であまり注目されていないのが夫婦別姓法案である。

夫婦別姓法案も、民主党政策集に記載されているが、マニフェストには載っていない。双方共に、日本社会に深刻な負の影響をもたらすと思われ、それだけに有権者の反発を買い選挙には不利だとして、マニフェストに盛り込むのが見送られた経緯がある。

民主党の夫婦別姓法案では夫婦は別姓、子どもは父母どちらかの姓になる、複数の子どもがいる場合、子どもの姓は、父母どちらかの姓に統一するという内容だそうだ。ただし、従来の民主党法案は、子どもごとに父母どちらかの姓を選択することになっていた。

なぜ、こんな法案が生まれてくるのか。夫婦別姓を是とする人びとのなかに、女性の自立や人格の尊重を理由とする人は少なくない。仕事を続けるとき結婚によって姓が変わるのは、通常、姓が変わらない男性に比べて不公平で女性の権利の侵害だとする声もある。

後者については、現在も許されている「通称」で解決する問題ではないか。結婚後も旧姓で仕事を続けることは可能で、その実例も少なくない。

前者の理由についても、歴史を振り返り、他国の例を見れば、姓が変わることをもって「女性の自立や人格」が損なわれるという考えが的はずれであることがわかる。

韓国では、結婚後も女性は旧姓を名乗る。女性運動が華やかだった1960～70年代に、韓国の事例は女性蔑視の例として語られたものだ。差別するがゆえに、夫と同じ姓を名乗らせず、族譜（家系図）にも載せないのだといわれた。

その説明の正否は、ここでの重要事ではない。重要なのは、韓国の場合も含めて、すべての国の家族制度のあり方は、その国の文化文明、価値観を反映しているということだ。日本には日本の家族制度があり、それは私たちの文化文明であり、先人たちが長い期間をかけて築き上げた価値観だ。

では、日本の女性たちは自立もできず、人格も尊重されずに生きてきたのか。答えは否であろう。日本の女性たちが、同時代の欧米の女性たちに比べてどれほど力を持っていたかについて、多くの人びとが書き残している。渡辺京二氏の『逝きし世の面影』（平凡社ライブラリー）には外国人が見た日本の女性の生き生きとした姿が多出する。長岡藩の城代家老の娘、杉本鉞子の『武士の娘』（ちくま文庫）には、日本の女性たちが手にしていた現実生活における力の程が描写されている。

そしてもう一冊、磯田道史氏の『武士の家計簿』（新潮新書）には、武士の家庭における俸禄（給料）の配分の実例が示されている。おカネの配分はすなわち力の配分である。

それによると、一家内での女性の取り分は驚くほど多い。俸禄を稼いでくる本人よりも妻や母、祖母のお小づかいのほうがはるかに多いのだ。前述の鉞子は、妻は銀行家でもあると書いたが、女性が家の経済を差配したということだ。このような日本の社会の実態を見れば、民主党の夫婦別姓法案の必要性や根拠は揺らぐ。

同法案の源をたどれば、その考えは戦後の占領政策の下で行われた徹底的な家制度の破壊に行き着く。現在、私たちが直面する多くの問題が家庭の破壊に端を発するという側面を持つのは周知だ。今必要なのはよい家庭を築く努力を社会ぐるみで行うことであり、さらなる家庭の崩壊と社会基盤の液状化をもたらす夫婦別姓を推進することではないのである。


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		<link>http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2010/02/13/%e3%80%8c%e3%80%80%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%9b%ba%e6%9c%89%e3%81%ae%e6%96%87%e5%8c%96%e6%96%87%e6%98%8e%e3%82%92%e5%a3%8a%e3%81%99%e3%80%8e%e5%a4%ab%e5%a9%a6%e5%88%a5%e5%a7%93%e6%b3%95%e6%a1%88%e3%80%8f/</link>
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		<title>「　鳩山施政方針のあまりの空疎さ　」</title>
		<description><![CDATA[
『週刊新潮』　2010年2月11日号
日本ルネッサンス　第398回



夢想家、鳩山由紀夫首相の施政方針演説は、空疎で聞くに堪えなかった。「いのち」という言葉を連発し、力を入れるあまり声が裏返っていた。国民の「いのち」を預かる身として、日本の置かれている現実をもっと冷静に見るべきだろう。

首相は、「生まれくるいのち」「育ちゆくいのち」「働くいのち」を守り、さらに「世界のいのち」も「地球のいのち」も守ると、目標値を高めていく。

すばらしいことだ。平和を守ることと同様、反対する人はいまい。だが、いのちを守ることは多くの責任を果たすことであり、首相が語ったように、政治の責任は非常に大きい。

生まれ、育ついのち、そして働くいのちを守るには医療、福祉、雇用など、種々の社会政策が肝要で、それらを可能にする経済成長が欠かせない。だが、鳩山政権の経済政策のどこに成長を促す要素があるのだろうか。そうしたこと以前に、いのちを守るには日本国の安全そのものが守られていなければならない。その点について、鳩山首相の考えは支離滅裂である。

戦後日本の平和と安定の土台は日米安保体制だった。だからこそ、首相の基本的価値観が、明らかに米国と距離を置き、中国に傾く点にあるにも拘らず、首相は演説で「日米同盟の深化」に触れざるを得なかった。

首相の施政方針演説の2日前に演説したオバマ大統領は、しかし、日米同盟にも、日本の存在自体にも触れなかった。鳩山政権の日本は完全に無視されたのだ。首相はそのことを当然知っていたにも拘らず、日本に深刻な影響を与える米国の「日本離れ」にどのように歯止めをかけるのか、そのために何をすべきかについて、演説で何も語らなかった。

ついでに言えば、鳩山政権を事実上差配していると言ってよい小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題についても一言もなかった。都合の悪いことには向き合わないのである。


自己中心的で内向き

首相は、国内のいのちだけでなく、世界のいのち、地球のいのちを守るともいう。そのためには地球環境や諸国間の覇権争いの厳格なコントロールが必要だ。他国を力ずくで抑圧し、異民族を虐殺し続ける、たとえば中国のような国は放置してはならない。中国を含む如何なる国の身勝手な振舞いも許してはならないのだ。

しかし、日本離れを進める米国への対処について語らなかったと同じく、「世界のいのち」に大きな脅威をもたらしている中国についても、首相は一言も言及しなかった。

声を裏返らせていのちを連呼してもなにも起きはしない。首相の言葉に説得力がないのは、その視点が自己中心的で、内向きで、他国の動きを認識していないからだ。

夢見る未熟な政治家、鳩山首相を無視したオバマ大統領も、しかし、一般教書演説で見る限り、極めて内向きである。就任して1年、初の一般教書演説の大部分を、大統領は国内経済の再活性化と雇用創出に割いた。今後5年間で輸出を倍増させ、200万人の雇用を創出するそうだ。

現実的な目標とは思えないが、世界一の大国であり続けると決意する大統領としては、掲げざるを得なかった政治的目標値なのであろう。

日米双方の最高指導者は、共に、理想家である。しかし、両者の違いはそれでも非常に大きい。鳩山首相が中心軸を欠いたマシュマロのように柔らかく頼りなく、言葉に始まり言葉に終わるのに対し、オバマ大統領は、国家の基本を一応は押さえている。それが中国の軍事的脅威、もしくは「テロとの戦い」への対処策としての軍事支出の据え置きである。

大統領はすべての裁量的歳出の伸びを３年間凍結したが、社会保障費と国防費は例外とした。国家の基盤は経済だけではなく、軍事的基盤があってこそ、自国と自国民を守ることが出来ると識っているからだ。

オバマ政権の目下の最大の目標は、国内経済の再活性化である。一方で、GDPの10％を超える140兆円に達する見込みの財政赤字も削減しなければならない。大統領は2月1日に予算教書を発表したが、200万人分の雇用創出につながる経済成長戦略と同時に、財政赤字の削減という相反する課題に取り組む筋道を示した。注目されるのは軍事費だ。

前述のように、オバマ大統領は一般教書演説で、軍事費に伸び率凍結の枠ははめなかったが、内部調整でアフガニスタンへの軍事支出を増やすのとは対照的に、有人月探査計画や宇宙開発計画の予算を削減すると発表した。これは一体、世界の安全保障にどんな影響を与えるのか。


秘かに喜ぶ中国

どの国にとっても月探査は膨大なコストの割に現実的見返りが実感しにくい、いわば金食い虫の企画である。米国はケネディ大統領の提唱で始まったアポロ計画、有人月探査をソ連に先がけて成功させた。75年まで続いて、打ち切られた有人月探査を、ブッシュ前大統領が復活させた。2020年までに、有人月探査を実現する計画だった。それを今回、オバマ大統領が中止させたわけだ。

代わりに5年分の宇宙開発関連予算59億ドルをつけたが、これでは国家プロジェクトとして宇宙開発を続けることは困難だ。月探査計画の2020年の実現は困難であろう。

秘かに喜んでいるのが、中国ではないだろうか。中国はいま、異常な軍拡の真っ只中にある。喫緊の目標と見られる台湾併合に関連して、2002年段階で台湾海峡の制空権を握った。台湾をとらえる短距離ミサイルは1,400基も配備済みである。

台湾併合にはそれだけでは不十分で、中国はどうしても米国の介入を防がなければならない。そのために、米軍事力の強みでもあり弱点でもある高度ハイテク技術への依存性を突く力を、中国は蓄えた。サイバー攻撃と宇宙衛星網の破壊である。

中国人民解放軍にはサイバー攻撃のための部隊として、総参謀本部に第3部及び第4部が設けられている。軍全体、否、国家ぐるみで実施するサイバー攻撃を、彼らは「暗殺者の棍棒」と呼んでいるそうだ。中国を起点とする米国防総省へのサイバー攻撃は09年で年間９万件に迫る勢いだとされている。

中国はまた、2020年には独自の宇宙ステーションを、2030年には月面基地を完成させると見られている。両者を結べば、月と地球の間の宇宙空間も、そこを飛び交う衛星も支配出来る。世界のあらゆる情報を瞬時に入手し、ピンポイントで対処する能力を手に入れられる。現在、圧倒的強さを誇る米軍に対等に立ち向かう能力を、中国人民解放軍が手にするということだ。

理想を語り、その甘い陶酔の海に溺れる鳩山首相の無策は論外として、オバマ大統領の控え目な宇宙、軍事政策を最も喜んでいるのは、中国であろう。
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